ツダ ユキコからのReport~「努力を大きくしても、行動がよくなるわけではない」
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第13号-2017年7月は、ツダ ユキコからお届けいたします。8月は、佐藤 英行が担当いたします。お楽しみに。
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努力を大きくしても、行動がよくなるわけではない
身体訓令法より
『動きのたびごとに、自分の能力ぎりぎりまでやろうとすると、筋肉を痛め、関節をこわばらせることになるのが落ちである。
外に現れる結果だけを求めて頑張ると、動きと行動の習慣的パターンを打ち壊すという、この訓練の目的を通してこそ初めて獲得できる改善を、ほんの一部でも実現することすら不可能になるのだ。
全身の様々の部分の動きと、それらの相互関係に対する識別力が高まりさえすれば、その結果自ずと、トーヌス(不随意的中枢によって引き起こされる筋収縮の度合い)が低下し、意識的コントロールの力がまぎれもなく増大するのである。』
以上は本からの引用です。
ちょっと言葉が難しいですが、多くの人は、特に自分にとってチャレンジなATMになると、少なからず努力感を持って体を動かしがちになります。
そして、出来る出来ないにこだわらない気持ちを捨てきれない自分に気付いたりします。
気付いたときはチャンスです。 今、できることをしましょう。
・難しさを感じている人は、出来ないことを負担に考えず、いったんそのことから遠ざかり、やらなくてはという、気持ちとカラダの緊張から解放してみてください。
・カラダの他の部分を動きに参加させることで、やりやすくならないか?
どこか動きを止めているところはないか?
カラダの感覚に聞いてみましょう。自分が止めていることに気付かないだけかもしれません。
・私は出来ている!と思っている人も、 今自分のやっていることの見直しをしてみましょう。
動きを邪魔しているところはないか?動かすタイミングはどうか? 感覚を澄まして、スムーズな動きの繋がりを探ります。
・どちらも、楽な範囲で、特定の筋肉だけが働くことのない動きをさがしていくと、動きの静かになった筋肉から受けとるカラダの感覚の情報が増えていきます。
他のカラダのパーツとのつながりはどうかなど、多くの情報が脳と行き来し、そのことが、ワンパターンな習慣的な行動から抜け出す助けになっていきます。そして、動きの改善につながっていきます。
似たようなATMを受けるときも、学習のチャンスは限りなくあるものです。
昨日学習したことは、すでに今日のカラダの一部に取り込まれています。
さらに、ここから新たな学習が始まります。
この動きは知っていると、そこで探索を止めてしまいがちなのは、学習の妨げになり、もったいないことです。
昨日気付かなかったことに 今日は気付く準備が出来ていることもあります。
らせん階段を上るように、少しずつ、上へ、よりよい動きへ 動きを楽しむ気持ちを持って、学習を広めていきましょう。
LessonSumasu澄
ツダユキコ