サノ ケイコからreport~「普通の人間」の楽しさ
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第31号-2019年1月は、サノケイコからお届けいたします。2019年2月はツダ ユキコです。お楽しみに。
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朝日新聞の中から一部をご紹介-橋本 治さんを悼むの欄からこんな一節がありました
「自分の頭で考えろと言ってもね、他人の頭で考えたことをなぞるのが精一杯、というのが普通の人間です」と言い、「普通の人間」ばかり小説の主人公に選んだ。
これを読んでそうだな。とつくづく思う。
ATMレッスンでは、「動きの指示を聞いて、自分で考え、動いて、
どのようにやっているか注意を向けて。
違うやり方でやってみる」などと言っている。
でも、実際やってみると、一つのやり方を繰り返してしまう場合が多いように思う。
つまり、いくつかの選択肢が思いつかないのです。
私もしばらくは、気づけば同じやり方を繰り返し、選択肢を考えることができませんでした。
なぜ、選択肢を自分で考え、広げられないか?
自分のやっていることを知識や経験、思い込みで観察するのではなく、
ただ観察することをしていないと気づきました。
誰かが考えたことをなぞるので精一杯だということですね。
それでも、いろいろな考え方や動きを経験することで
自分で考えたと思った動きを試して、とにかくやってみるようになりました。
すると、前より変化を感じやすくなったり、囚われることが少なくなっていると感じました。
話は変わりますが、月に一度フェルデンクライスのことをよくわからないが、
続けて来てくれる友達にATMレッスンをするのがとても楽しみなのです。
フェルデンクライスとは何かをあまり詳しく説明することなく、動きを通して、
レッスンの中で、何か一つでも気づくようになるか、挑戦しています。
先日は、肩こりがあって首のあたりまで動きづらくなるということでした。
肩の動きをやる時に、肩甲骨が動いているのわかる?と聞くと
「わからない。動いていないじゃない。」という回答。
肩と骨盤で色々な動きをやっては、合間に、肩甲骨は動いてる?と聞いていくと
何回かは「わからない。」と言っていたのですが、
最後には「あれー。すごくよく動いているのがわかる~。」と回答。
寝ている時だけかなと思ったが、立っている時にも
「まだ肩こりの感じはあるけど、肩の位置も背中の感じも変わって、
頭も真ん中にある感じがする。軽く感じる。」という感想でした。
レッスンの過程で、選択肢を自分で考えて、やったわけではなかったのですが、
自分自身の動きに注意を向け、違いを感じていました。
次の機会には、違うやり方を自分で考え、試してもらう楽しさに挑戦してみようかと思います。
また、新聞記事の話に戻りますが、普通の人間でも、
色々挑戦できる楽しみ、自分の考えと思ったら意外に誰かの考えだったと気づいり、
固定した考えに囚われずにいられる楽しさがあるかもしれない。
プラクティショナー サノケイコ