動きに現れる本当の姿

フェルデンクライスについて説明するのって難しいという声をよく聴きます。

そこでフェルデンクライスTokyoでは数名のプラクティショナーやスチュ―デントティーチャーが今までレッスンをしてきた中でのエピソードを定期的にお伝えすることで、フェルデンクライスって、「こんな効果があるのか」とか「こんなことをやるんだ」と知って頂きたいと思います。面白そうだなとか何だかよくわからないけど良さそうと思もったら、フェルデンクライス メソッドをまずは体験して下さい。

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ATMレッスンとFIレッスンを、5年程毎月定期的レッスンを受けているダンサーであるAさんのエピソードです。

Aさんがフェルデンクライスを始めたのはパフォーマンスの向上に役に立つと思ったからです

動きに現れる本当の姿

バレエでは現実的でない夢のような世界を表現しています。ですから首から肩のラインというのは、非現実的な例えば竹下夢二の描く女性のようななで肩が好ましいとされています。

4年前のAさんは、舞台で踊っているダンサーたちの中から四角い肩を探せばすぐに彼女を見つけることができました。ところが2年位前に舞台を見に行った時、四角い肩でAさんを探すことは出来ませんでした。

もっとも目立つ肩の緊張よりも頭と首、胸、腕など上体の動きの変化がしなやかになったことで、全体の動きが見ている私に伝わってきました。

何より変化したのは、踊っている動きから伝わる全体の印象です。恐怖心がなくなると動きも変わる。

 立っている姿は以前より首のラインが長くなり、胸も柔らかさが少し出てきましたが、近くで見ると決して竹下夢二のような肩の女性になったわけではありません。また急いだり、あせると以前のやり方でやり始めてしまいます。

Aさんが変化した大きな理由の一つは、フェルデンクライスで学んだ感覚や興味深いことを使って、こうもできるか?こんなふうにもできるか?といろいろと探索していろいろなやり方を試せる喜びを知り、面白くてたまらなくなって楽しんでいるという事です。

そして、「できないという不安」が肩に力を入れてしまうのだという事も学びました。

 レッスンの受け方も変わる

先日Aさんのレッスン風景を見学した時、動きが上手くいっていない部分がありました。ヒントは自分自身にあってすぐにでもできそうだが、どこかがそれを止めている。それが何なのか?そこが面白い所です。

困難なのは、自分がどうやっているかを知らないことです。分かれば、たやすくなる。

フェルデンクライスのたくさんの動きから身体の使い方を学び始め、Aさんは踊る時にそれをどう活かしてよいかに興味を持ってバレエのレッスンを受けるようになってから、四角い肩の印象は変わり、動きが変わり、何を表現しようとしているのかが伝わってくるようになったのです。自分のやりたいことに活かす方法を見つけたことで向上し続ける可能性を持てるようになりました。

 進歩というより、進化していく自分へ

面白いという興味が更なる上達の鍵となり、自ら作っていた限界は少しずつ手放し始めています。ダンサーであれば、誰もがどれだけ飛べるか回れるかというテクニックを向上したいと思うでしょう。けれど、本当にテクニックがあるとは、どういうことなのか?

見て下さる人にどう伝えるか何を伝えたいのかを、一つの方法でしか表現できない体と心からはもうおさらばしたいものです。

正しいやり方を身につけるのではなく、自分の頭で考え、自分の体を使って、楽しみながら良くなったり悪くなったりしてやりたいことを実現していく方法を見つけるのにフェルデンクライス メソッドはとても役に立つことができます。

進化しているAさんのこれからがますます楽しみです。

プラクティショナー サノケイコ

2014-08-28 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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