「豊かさ」~サノケイコからreport~

4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。

第50号-2020年8月サノ ケイコからお届けいたします。2020年9月は佐藤 英行です。

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先日テレビで「巨大インフラ 百年残す闘い」という番組を見ました。

1958(昭和33)年に完成した東京タワー、高さ333m。構造設計は内藤多仲。

彼は初めから将来のメンテナンスを視野に入れていて、建設から7年後には全面塗替えを行った。以降、修繕工事は 5年に1回。全てハケを使い、厚さ1ミクロンで人の手によって塗られる。

そして、1964年の東京オリンピックに間に合わせるように作られた首都高速道路も作ることから「直し、残す」ことへ変わっている。100年後に残すために、今、劣化の場所を作り変える計画が行われている。特殊な技を身につけた点検作業員が、手作業でわずかな損傷も見逃さず、長生きさせるように全力を注いでいる。優れた機械やAIで膨大な量を調査することはできるが、最終的な作業には、やはり人間の経験や技術、微妙な感覚がどうしても必要になるようです。

東京タワーも首都高も手間暇をかけて、人の手の丁寧な作業が今の姿を支えている。美しい東京タワーを眺めることができ、安全に移動ができ、豊かな生活送ることができる裏で地道な人の力があったのですね。

人生も100年時代と言われている。

病気がないか検査してもらったり、治療を行うこともできます。

100年を健康で豊かに過ごしたいのなら、自分自身のことをもっとよく知って、心も身体も健やかでいられるよう手入れし、より良い状態を維持できるようにしてあげたいものです。

定期的にレッスンに参加いただいている年配の方が、「自分の身体をやっぱり自分でメンテナンスして、転んだりしないようにしないとね。自分だけではなかなかできないので、こういう無理のない動きが大事。元気でいるようにしたい」とおっしゃっていました。

フェルデンクライスのレッスンでは、高齢者でも痛みがあっても、それぞれが心地よい範囲で動きます。特にFIレッスン(個人レッスン)では、私たちプラクティショナーの手によって問いかけをしていくレッスンです。この時、もし肩に痛みがあると、肩を触ることはしないのです。心地よいと感じる動きを問いかけ続けていきます。手によって問いかけると、自分では気づかなかったような動きを感じことができます。

「こんなふうに動くことができるんだ」「自分は必要以上に胸に力を入れていた」「呼吸するのに横隔膜の動きを感じていなかった」など、自分がやっていることに気づいたり、様々感覚を呼び覚ますようになります。

いつも脳が動きを指令しているのではなく、身体の方が、脳にこんなこともできるよと教えているかのように。

私たちは年を重ねていくのと同時に自分の身体を自らメンテナンスしてあげて、やりたいことが十分できるよう健康な身体づくりをすることは「豊かさ」につながるのではないでしょうか。

どのくらい沢山のものを持っているかという豊かさもあります。ほんの小さなことに感じる力をもって、自分なりの豊かさを創り上げる過程の「豊かさ」もあるように思います。そこには人や社会や自分自身のかかわりが必ずあるのではと思わせてくれました。

プラクティショナー サノケイコ

2020-08-31 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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