なぜ高いパフォーマンスを発揮できるのか~サノ ケイコからreport~

4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。

第40号-2019年10月は、サノ ケイコからお届けいたします。2019年11月はツダ ユキコです。お楽しみに。

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走り高跳びの義足のアスリート、鈴木選手について、

新聞での記事の一部をご紹介したいと思います。

右足に義足をつけて跳躍する難しさは「足首の機能がなく、制御できないこと」

義足では足首が曲がらない状態で歩きにくく、高く飛び上がることもままならい。

鈴木選手は、そんな状態で反対側の健康な左足で踏み切って2メートルのバーを飛び越える。

跳躍の肝は、義足を足首のように使えるかどうか。

義足では特に難しいカーブでの助走と、踏み切る直前の体の沈み込ませ方にある。

この助走でのカーブの改善を、スキーでターンの時にエッジを立てる感覚が使えると直感した。

着地の時に内側に力を加えれば、義足は倒れずに、カーブの助走はよりスムーズになった。

もう一つの困難は、踏み切りの一歩前の部分。

跳躍のラスト3歩は「タン・タ・タン」のリズムをとる。

最も大事な踏み切り一歩前の「タ」。ここでは義足で接地し、地面からの反発力を下半身に蓄えるために体を沈みこませる。

一転、それまでの助走から義足の外側を使う。

義足を外側から内側へ滑らせるように体重を移動させ、重心を下げる。

そして、最後の踏み切り足は健康な足。足は着地方向に向け膝を極力曲げずに、垂直方向への力と回転力を生む。

これだけのことを自然にやるわけですね。そこで

片足が義足の状態で、なぜ高いパフォーマンスを発揮できるのか。

理由の一つが、「脳の進化」だ。

通常は、人は右の手足を動かすと左側の脳が反応し、左の手足を動かすと右脳が動く。

鈴木選手の脳を調査したところ、義足側の右ひざを動かすと、

左側だけでなく、右脳も活発に働いていたことが分かった

この現象は他のパラのトップアスリートにも見られる現象だそうです。

高度な練習を積んだことで、通常は使われていない神経経路まで使われるようになったのではと分析される。

フェルデンクライスでは、神経システムに働きかける。

どんな人でも、神経システムに働きかけるフェルデンクライス・メソッドの動きを探索することで

いつもとは違う神経経路を使うことになる。

誰もが自分の中にあるものを目覚めさせ、動きを改善し、

自分のやりたいことができるようになれると思わせる記事でした。

上記の説明を動画でご覧になりたい方は、下記のURLから鈴木選手の言葉で説明している動画が見れます。ご参照ください。

https://www.asahi.com/articles/ASM9V5KNLM9VUTQP02D.html

2019-10-29 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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