ツダ ユキコからreport~夏のおしゃべり2019「ある合唱風景から」
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第36号-2019年6月は、ツダ ユキコからお届けいたします。2019年7月は佐藤 英行です。お楽しみに。
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夏のおしゃべり2019 ある合唱風景から
趣味の合唱で大きなミサ曲に挑んでいる。曲の途中8つのパートに分かれて歌う章がある。
楽譜はあるものの、8パートが入ってくるタイミングは複雑で、そう簡単にはそろわない。
指揮者は メンバーが章全体のイメージを共有できるよう、各パートの位置付けを語る。
個としては、一つの楽器として、さらに演奏者としての注意するが、ディーテイルにしか意識が向かないでいると、表現が乏しくなる。
いい演奏には、パートとして一つになり、パート同士の掛け合いに意識を向け、曲全体の流れを感じることが求められていく。
様々な角度から自分の立ち位置を探っていく。そんなフェルデンクライスのレッスンを思い出す。
何かをやりながら、別の仕事をしている自分を俯瞰してみてみると、
自分が何をしようとしているのかがはっきりしてくる。
また、指揮者のたとえ話が、カラダの使い方のヒントになったりする。
「野球でホームランを打った時は、意外にもバットに手ごたえが少ないそうです。超いいタイミングでスイングするときは 軽くボールものびて飛んでいく。逆に変にりきむと、バットは重く、ボールに伸びが伝わらない。」
「スポーツをやっている人は心当たりあるね。いい動きに、力はいらない。ぜひ、歌もそのように」
力で無理に押し出した声は 表現が貧弱で、音程も保ちにくい。
努力してみた割には残念!という結果に。
カラダがどう関わっていくと、伸びやかな表現になっていけるのか?問題が投げかけられる。
力みが減ると、楽にうごける、というのは、フェルデンクライスメソット゛でもよく言われる。
同じ方向に向かってカラダ全体が係わりあって動いていけるから。
ATMレッスンを重ねることで、気付きが増えると 力みはへっていくと期待される。
何から始めるか迷ったら、新しいテクニックを習う、技術を足していく話ではなく、
力みや緊張感を減らしていく引き算をしてみて 何が起きるのか試してみてはどうだろう?
感じることが容易になって、今まで気づかなかったことにも注意がむき、発見があるかもしれない。
そのことは、日常の生活の中では勿論、歌う時、スポーツする時にも役に立つ。
モシェ・フェルデンクライス博士はこんなことを書き残している。
気づきを通して自分自身を知ることは、再教育の目標である。言っていることや、考えていることではなく、自分が実際に何をしているかが分かれば、向上への道は私たちの前に広く開かれている。
動きをとおして気付きをもたらす‘レッスン
awareness through movement (ATM) へどうぞ。 お待ちしています。
澄まして~ 感じて~ よりよい動きへ
Lesson Sumasu澄
プラクティショナー ツダユキコ