サノ ケイコからreport~人間はみな踊り手
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第29号-2018年11月は、サノ ケイコからお届けいたします。2018年12月は佐藤 英行です。お楽しみに。
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先日、レッスンを受けてくださった方とお話をしていて、
楽器を演奏する場合は、楽器が音を出してくれるが、
ダンサーは、自分の体が楽器として動きをしないといけないから大変なのではという話があり、
そのことについてちょっと書いてみようと思います。
私はダンスをやっていたのですが、習い始めは舞踏家である伊藤道郎の研究所で団員だった先生に
習い始めました。
伊藤道郎振り付けの踊りは、とても素敵な衣装で踊りも難しものでした。
その伊藤道郎先生の言葉の一部を紹介したいと思います。
「音楽家の場合は数多くある楽器を選ぶことができますが、
舞踊家の肉体はすでに自分に授けられたものでありますから
他にこれを求めることはできません。
それゆえ舞踏家としては、自分の体を舞踊に適した体に作り上げなければなりません。
ここに我々は生きるという事、自分を美しく築き上げる大きな希望が生まれてくるのです。」
全部をご紹介できるとよいのですが、とても長いので、ほんの一部をご紹介いたしました。
ここでは舞踊家について限定しているように書かれていますが、
最後には「人間はみな踊り手であれ」と言っています。
舞踊、舞踏家といっているところを、自分自身と置き換えて読んでみれば、
フェルデンクライスの考えと同じように思います。
どんな人も、自分自身のために、日常の動きをより良くすることを学ぶことが必要だと感じます。
プラクティショナー サノケイコ