佐藤 英行からreport~「Non-habitual way」

4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。

第22号-2018年4月は、佐藤 英行からお届けいたします。2018年5月をお楽しみに。

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「Non-habitual way」

先日カーナビが壊れた。「カタカタカタ…」と異音がしたあと、ディスプレイが青くなり、何も表示しなくなってしまった。14年間も使ったので壊れても不思議ではないのだか、カーナビがないと運転が落ち着かない。良く知っている場合へ行くときも稼働させることが習慣になっていたので、音声案内がなくなると不安になる。職場から帰宅することでさえ不安になってしまうのだから、我ながら情けない。

以前は地図を頼りに色々なところへドライブに行くことが出来たし、地図を見て走行ルートを考えることが大好きだった。そして今でもバイクに乗るときはナビゲーションなどなくても大丈夫なのに「クルマに乗る」となるとカーナビなしでは落ち着かなくなってしまったのだ。本当に習慣とは恐ろしい。きっとこのようにして、人間は堕落して行くのかも知れない。

「習慣」には人間を変えてしまうほどのパワーがある。なにかを毎日「習慣的」に繰り返して行なっていると、「その行為」に対してに疑問を持たなくなるし、注意も払わなくなる。行動や思考がパターン化されてしまうし、動きや姿勢も固定化されてしまう。それが「ごく自然なこと」として認識されると、それ以外のことを受け入れられなくなってしまうようだ。これでは、たとえ「良い習慣を持っている」としても、良いことばかりがあるとは限らない。

Drモーシェ・フェルデンクライスはレッスンの中で「レッスンを行なう意図は、すでに我々の身体のシステムの中に組み込まれているのだが、習慣によって乱されてしまっている能力の「すべて」を取り戻すことである。レッスンが出来ることは、人々の全ての能力を見つけ出すことである。」といっている(※アレキサンダーヤナーイレッスン集#20より)。

そうすると私は「ナビゲーションなしでもクルマの運転を楽しむことが出来る」という能力が「クルマに乗るたびにカーナビを使う」という「習慣」のおかげで、乱されてしまったようだ。

しばらくはカーナビを使わずにクルマを運転してみようか?? 少なくとも今の私にとっては、それもレッスンのひとつになるもかのしれない。きっと目的地に行くのに時間がかかったり、道を間違えて遠回りしてしまうことが増えるのかもしれないが、それもまた、フェルデンクライスのレッスンらしいかな・・・・!??

プラクティショナー  佐藤英行

2018-04-27 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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