佐藤 英行からのReport~『組織化』
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第18号-2017年12月は、佐藤 英行からお届けいたします。2018年1月は、なみかわ ももこが担当いたします。お楽しみに。
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先日、いつも定期的にFIレッスンを受けて下さっている方から、こんなお話を伺った。
「病院に入院してリハビリを受けている間は『筋肉を強くすることの方が大切だ』と思いこんでいたけれど、先生のレッスンを受けてからは『日常の使い方に寄り添うやり方』の方が、私にとても役に立っていたことが分かりました。」
とても嬉しいコメントである。これはフェルデンクライスに限らず、私が目指していた『リハビリテーション』のひとつの理想の形でもあるし、何よりもそれを一人のクライアントさんに実感して頂けたことが、素直にとても嬉しい。
フェルデンクライスのレッスンは「まわりくどくて難解」な場合が多い。
「このレッスンは何の役に立つのですか?」という質問をされることもある。
フェルデンクライスのレッスンは「特定の結果をすぐに出す」ようには作られていないのだ。
スピーディーな現代生活の中では、私たちは「やるべきこと」がたくさんあり「はやく結果を出すこと」が求められている。
この傾向は「日々の仕事」等に限らず、病院の治療期間やボディーワーク等にも当てはまる。
しかしフェルデンクライス メソッドは「はやく結果を出すこと=何を成し遂げたか?」にあまりこだわっていない。
「その結果をだすために何をしたのか?」を見極めることに焦点が置かれている。
例えば入院してリハビリを受けていたとする。
ある程度動けるようになって退院して、では次に何をするのか??
筋力強化をして「より動ける身体になる」ことも、ひとつの方法だ。
しかし筋肉の強化だけで問題が解決されればよいが、そうでない場合には「失われた機能を代償するため」にいろいろなことをしなければならなくなる。
それとは対照的に「今の状態で以前と同じことをするためには、なにをするべきか?」を考え、実行した方が良い場合もある。
つまり「同じ結果を出すためのプロセスを作り直す」ということ、言い換えれば「自分を組織化する」ということである。
例えば、あなたに貯金がなく、生活に不安を持っていたとしよう。
お金を貯めるには「もっと給料の良い会社に転職する」のもひとつの方法である。
しかし「限られた生活費の中で節約して貯金する」という選択肢もある。
「筋力強化をしてより動ける身体を作ること」は「転職すること」に例えられる。
現状を変えようと努力するのは良いことだが、この場合はそれなりのリスクも発生する。
「節約して貯金する」ことは、言ってみれば「生活を組織化する」ことになる。
すぐに結果は出ないかもしれないが「うまく組織化された形」をつくれば、それなりの結果がついてくる。
どちらの方法も間違いではない。自分が好きな方法を選んで良いのだ。
ただ、少しだけ自己自慢をさせていただけるのならば。。。。
理学療法士であり、フェルデンクライス プラクティショナーでもある私は、リハビリの場面においては、そのどちらの方法も提示できる、確信している。
・・・・今回は「自慢話」でした・・・・!??
プラクティショナー 佐藤英行