小さな動きをするのは?

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「股関節を感じて歩く」のレッスンで感じたこと

骨盤と膝を動かす方向を反対に動かしてその間にある股関節の動きに注意を向けていきました。

歩く時にその股関節の感覚を使って、今まで歩るきとの違いを感じてもらいました。

受けた方からは「こんな風に歩いたのは初めてで、このように意識して歩いたら疲れない気がする」という感想が多かったようです。

その中で受けた方からある質問がありました。とても興味深いものでした。

「フェルデンクライスでは小さい動きで行うほうがよいということでした。実際自分もほとんど動きはなくても小さい動きで十分感じている。

大きな動きをやらなくても感じることができるのだが。

先生が骨盤の動きを手で明確に示したので、そんなに動かすのか?小さい動きで言ったのにもっと動かせと言うことか?」

5月はATMレッスンで言葉と手で触れることで感受性を高めてもらうという企画をやっていましたので、手で骨盤を触れることをしました。

この質問を受け、小さい動きについて考えました。

フェルデンクライスでは動きを行うときに小さい動きから始めるように注意を促します。

多くは力を入れていることに気づかずに動かすことに一生懸命になりがちで、自分自身の内側の繊細な違いに気づきにくくなってしまいます。

力を減らして小さい動きでやり始めることで、より繊細な違いを感じ取るために必要なやり方です。

今回このような質問を受け、「フェルデンクライスでは小さく動くものだ」という習慣的な考え方に私自身が疑問を持つことになりました。

*動きをやる時に、小さい動きでやるものでその方いいからやる。小さい動きをしなくていけないと思い、少し動きを大きくすると動きを抑制してしまう

という風にして動きを観察するのと

*その動きをやろうとすると自分はどのようにやっているか?に注意を向けてやると、自然に自分自身が感じられるように力を減らして小さな動きになってくる。

このように同じ「小さい動き」を行う時に、その過程が違えば気づくことも違ってくるのではないかと思います。

そして、小さな動きで観察をしていると、次第に動きは体のあらゆる部分を使えるようになり、大きな動きへと移っていくように構成されています。

モシェの「こころをひらく体のレッスン」から

「学ぶときに大事なことは、何を学ぶかではなく、いかに学ぶかなのです。」

「学習というものは、自分にできることを別のやり方でもできるようになり、選択の幅が広がるようになる過程であると言えます。

違いが重要です。そうでなければ選択の余地はありません。

これこれの動きをしろと強制するものはだれもいません。しかし、選択の自由は自分のものです。」

フェルデンクライスのトレーニング中のATMレッスンで、先生が「いくつか違うやり方で試してみて」とよく言われました。

その時の自分は選択肢は一つしか思いつきませんでした。どのようにやっているかを観察してなかったからです。

この動きをすると自分の体はどんな風に動いているか先入観にとらわれずにただ観察することで選択肢は、おのずから見つけるようになりました。ですが、このことに気づくまでに、私はとても沢山の時間がかかってしまいました。

動きをするときに何かに捕らわれいると、ただ観察することから離れてしまうのではないか。

小さい動きについて改めて考えるチャンスをもらい、クライアントさんからの質問は本当に自分の中の習慣的な考えに気づかせてくれます。

プラクティショナー サノケイコ

2016-06-15 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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