健全なシステム ~佐藤 英行report~

プラクティショナーが 、自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。第90号ー2024年10月は佐藤英行がお届けします。

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理学療法士として、さまざまな老人ホームで非常勤の仕事をした事がある。

中にはお世辞にも「良い施設だ」とは言えない所もあった。しかし業界自体に需要が多いこともあり、組織として立ち上げてしまえば、なんとか形になってしまう施設もあった。

ひとたび「老人ホーム」というシステムができると、そこには様々な要素が有機的に結びついて、複雑な仕組みが生まれる。入居している利用者やその家族、施設で働いている職員だけではなく、その組織運営に関わる外部の利害関係者も、当然その組織のシステムに組み込まれる。システムに含まれる全ての要素は、他の要素に対して影響を及ぼし合うため、これらが調和して機能することが重要となる。組織の「システムとしての健全性」は本来、とても大切であるはずだ。
健全なシステムは、外部からの干渉を受けてもその機能を持続的に遂行し続ける能力を持っている。システムがその機能を阻害されると、抵抗を示すことがある。この抵抗は、システムが正常に機能するための防御反応とも言える。


重要なのは、どんな困難な状況においてもシステムが持続可能であることだ。長期にわたって安定的に機能しなければならない。特定の要素が失われたとしても、機能を維持する能力がシステムには求められる。そのためには「想定外の出来事」に対する耐性が必要だ。
そして我々個人のレベルでも、健全なシステムと同様に「長期にわたって安定的に機能すること」が求められる。

具体的には、意識や中枢神経系、心臓などの基本的な機能が持続的に働くことである。これらの機能が均一に働くことで、個人としての健康が保たれる。我々も健全なシステムと同様に、外部からの混乱に対して柔軟かつ強固であることが求められるのだ。

我々人間も、ある意味では「システム」だ。そのシステムの機能の過程を洗練することと、長期に渡って中断する事なくそのシステムを機能させることが大切である。そのためには、日々の意識の持ち方、行動や感情、感覚や思考の各要素に注意を向けて、自分自身をメンテナンスすることが必要なのだ。
・・・件の老人ホームの中には、残念ながら閉鎖に追い込まれた施設もあった。。。
システムとしての健全性が失われていたことは、言うまでもない。。。

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フェルデンクライス プラクティショナー 佐藤英行

2024-10-31 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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