できないことがあるということは~サノ ケイコreport~
プラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。第80号ー2023年5月は、サノ ケイコがお届けします。6月はお休み、2023年7月は佐藤英行がお届けします。
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FIレッスンは、自分のこんな動きがやりやすくなれたらいいなとかこんなことを知りたいなどご自身のリクエストをお聞きして、そのことに関するレッスンを行います。
ある高齢の方が、腰が痛く、最近足首を捻挫して痛めたので、少しでも痛みから解放されたいということでした。
杖をついてい歩いているがバランスがあまりよくないように見えたので、歩くことが今より歩きやすくなることを考えながらレッスンを続けていきました。
興味深く思ったことは、痛みそのものは完全になくなることはないのですが、以前より痛みを訴えることが少なくなってきたこと。
もう一つは、高さのある段差を昇り降りする時に壁につかまりながら行っていましたが、自然につかまらず杖のみで昇り降りするようになったことです。誰かに強制されたのではなく、自ら自然にそのようにやろうと思ったようです。自らの足の上に体重をのせて、頭を空間に維持できる感覚に自信をもったかのように。
また方向を変え、振り返る時にも、身体を上手く捻じれないようでした。
痛みのためか高齢のためか身体をねじる機能を忘れてしまったかのようでした。
レッスンでねじる動きをやっていくと次第にねじる機能を過去の記憶から見つけたのか少しずつ変化し始めています。
このようにレッスンを続けていくうちに、歩く時の足の運びや頭の位置、目線が少しずつ変わってきています。
以前は杖をつかずに歩く時に肩を持ち上げて腕を緊張させていましたが、気がつけばそのようにする必要はなくなったようです。
座っている姿勢や立っている姿勢には、まだまだ習慣が強く、自然に変化していくのには時間がかかりそうですが、やれることがあるというのはこれからもっと良くなるということなのでしょう。
プラクティショナー サノケイコ