効率よく、短時間でより良く~サノ ケイコreport~

プラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。第75号ー2022年12月はサノ ケイコから2023年1月は佐藤英行がお届けします。

************************

新聞記事に「タイパ社会」のシリーズで都会のサラリーマンが週末縄文人になって、「人類はどのように技術を発展させ、文明を築いていったのか。」を彼らが自ら体験し、気づいたことを紹介したいと思う。

山に行き、現代の道具は一切使わず、縄文土器や竪穴式住居をつくる。

最初は、火おこし。木の棒を手で回し、摩擦熱で火をおこす「キリモミ式」失敗を繰り返し2か月が過ぎて、ある日棒の先端に摩擦熱が起きやすよう、石で切り込みを入れた。そして火をおこし焚火をつけることが来た時の「美しい!」その時の達成感が忘れられない。

その後も住居や縄文土器、石臼、釣り竿、かごなどを自然のものを使って、何日もかけて作っていく。

縄文人の平均寿命は30年ほどだという。「忙しいのは現代人と思っていたが、縄文人も限られた時間の中での最大効率を目指していたのだろう。体験を経ないと、その気づきにはたどり着けなかった」

その時間の流れは、都会で感じた「時間に追われる」感覚とは異なる。太陽の動きを中心にした「時間とともにある」感覚だ。

山が色づき、虫の音が聞こえなくなる。秋から冬に向かっていくという変化。そんな「時間のグラデーション」が今は見える。(朝日新聞 タイパ社会より)

彼らがこの体験をyoutubeにアップしているのをついつい見てしまう。

失敗することで多くを学び、実際に自分で体験したからこそ、ただ情報を得ただけでは得ることのない感覚や見えるものがあった。

フェルデンクライスのレッスンで動きを行う際に、動きが上手くできなかったとか硬くてできなかったと思うことがある。でも、それが感じられたら、自分のことを知る機会を得ることができたことを意味している。

彼らが何度も失敗をしたが、「無駄な時間だと思う時間は一瞬たりともなかった。費やした時間こそが価値だと感じた」と感じたように。

今の傾向は、効率よく速く自分に必要なものを取り入れようとすることが多くなっている。フェルデンクライス・メソッドがこのような傾向と真逆のようにも思うが、実はそうではないのではと思う。

レッスンをやって、自分の変化を感じても、また前の自分のやり方に戻ってしまい、なかなか変化が続かないと感じることがある。本当の変化には時間が必要になるが、この時間は無駄だろうか。

私はほぼ毎日ATMレッスンを行うが、15~40分でも十分に変化を感じ取り、何か痛みがあっても短期間で改善することができる。マッサージや筋肉トレーニングやストレッチなどやることをどんどん増やさないと自分を調整できなり、結果たくさんの時間と労力を必要としてしまう。

自分のやっていることに単純に注意を向け続けていくと、自分自身で短期間に調整できるようになる。目の前のことだけではなく全体を考えれば、フェルデンクライス・メソッドは、効果的に素早くの現代の時代に実は適しているのではないだろうか。ぜひお試くだされ。

かぜあそび

プラクティショナー サノケイコ

 

2022-12-30 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

関連記事

Menu