自分で知覚すること ~サノ ケイコreport~

プラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。第68号ー2022年5月はサノケイコからお届けします。

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ダンサーをやめてからだいぶ経ってから、ふと気づいたことをお話したいと思います。

ダンサーならば誰もがつま先を伸ばした時に、足に綺麗なアーチができるようになりたいと思います。

そのために足の裏の筋肉を鍛えるために、タオルを床に置いて足の指で引き寄せるとか足の裏の筋肉を強くするような訓練をしたりします。でも、綺麗なアーチができない???どうしてだろうか??

日本人の足の甲は、個人差はありますが比較的平らなせいなのか、足首が硬いからか、元々持っている自分の素材が良くないせいなのか。

例えば、ポワント(つま先)でも、ルルヴェ(足の指で曲げて)でも立つ時に、床をしっかり押して立つように言われていました。それは足の裏の筋肉が十分に収縮して強い足でなければならないという認識でした。だから、足の裏の筋肉を鍛えることは必須であり、そうすれば、足のアーチも作られることになるだろうと思っていました。(要するに何も考えずただやっていた。)

足でしっかりと床を押すことがどういうことかを理解し、自分ではそのようにやっているつもりでした。

ところが、その意味を本当には理解していなかったと今ごろやっと気づいています。

ポワント(つま先)でも、ルルヴェ(足の指で曲げて)でも床に突き刺すよう押すと、自然に足の裏が使われてより強くなってくるのだと気づきました。足のアーチができることは美しさだけではない必要な意味があったわけですね。

強い足を持っていれば床を押せるようになるのではなく、つま先で床を押すことで足や脚~頭の方へ力を伝えることが明確になり、そのように使っていると、更に脚を上げた時、回る時、ジャンプする時にもその感覚が自分の身体を通して理解できるようになることが大切なのだろう。

筋力トレーニングをして強くしてから、パフォーマンスをより良くしようという考えもありますが、部分ではなく、動きの中で正確な意識をもって使うように自分自身で自分の身体の隅々を感じることがスキルを上げることにつながるだろうと思います。

趣味であれプロであれ、本当にスキルを上げたいならば、自分自身の身体の使い方をもっと探索する必要があると思います。だた先生の言うことを真面目にやっていてもある程度は上達できるでしょう。

でも、なぜ先生方がそのように言うのか、どうすればよいかを知るためには、時間がかかったとしても頭で知っていることを自分の身体を通して経験して、身体と心で学ぶことを何度も繰り返す必要があると思います。

このように私が気づいたことは、フェルデンクライス・メソッドの動きを通して感じたことで導きだされたと思います。誰かに教えられたのではない答えを。そして今感じたこの答えは、また学び続けていくと違うことに気づくことになるだろうと思います。正しい答えを探すというより、次から次へと問いかけを続けている感じです。

こうして自分で気づいたものは、必ずどのようなことにも活かすことができ、分からないことが面白いとか楽しいと思えるようになるのではないかと思います。

プラクティショナー サノケイコ

2022-05-31 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

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