シン・不老長寿 ~佐藤 英行report~

プラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。第65号ー2022年1月は佐藤英行からお届けします。

*************************

人生100年時代と言われている。「長生き」は本来「おめでたいこと」だった。しかし「みんなが長生きをする時代」になると問題が発生する。人生100年とは言え、最後の10数年間くらいは「誰かのお世話になる」のが現実だ。「老後2000万円問題」なるものもアナウンスされている。今や「長生き」は、自然災害のように「乗り切るためには備えが必要なもの」になってしまった。

「不老長寿」という言葉がある。これは人類の夢であった。現在は少なくとも「長寿」だけはある程度達成されている。これは人間の生命力が強くなったのではなく、医療や公衆衛生などの進歩によって「途中で死ぬ人が少なくなった」と言うことであろう。しかし「不老」については残念ながら達成されていない。現状は「年老いながら長く生きる」という、あまりありがたくない状態なのだ。

思うに「長寿」を人生の「量」に例えられるとしたら「不老」は人生の「質」に例えられる。最後の10数年間を誰かのお世話になり、医療費や介護費を払い続けながらあまり快適でない日々を過ごすよりも、最後まで誰の手も借りずに、健康で快適な日々を過ごすほうが、人生の「質」は高いと言える。

そのためには、今からでも毎日の生活の中で「小さな動き」に注意を向けて「より快適な動き方」を見つけること、そしてそれを日々実践し続けることが大切だ。我々の生活は「小さな動き」の積み重ねで成り立っている。そのひとつひとつを無駄なく楽に実践することができれば、高齢になっても楽に快適に動くことができる。結果的に「より質の高い人生」を送ることになるのだ。

Drモーシェ・フェルデンクライスは著者「フェルデンクライス身体訓練法」のなかで
「レッスンの目的は行動方法から徐々にあらゆる不必要な動き、動きを妨げるあらゆるものを取り除くことである。」
と述べている。フェルデンクライスのレッスンを実践し続けることで、我々は本当の意味での「不老長寿」に一歩近付けるのかもしれない。

例えば、老後の資金に備えて貯蓄や資産運用などの投資を始めようと考えているのであれば、是非とも将来の「質の高い人生」のために「快適な動き方を見つけること」にも投資してみてはどうだろうか⁇
未来は変えることができる。だから、そのためのスタートは、今からでもけして遅くはない。

フェルデンクライス・プラクティショナー 佐藤英行

2022-01-26 | Posted in FK Tokyo 通信, ReportComments Closed 

関連記事

Menu