理解すること〈 感じること ~サノ ケイコreport~
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第55号-2021年2月はサノケイコからお届けいたします。
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5年前から友人がお花のアレンジメントのクラスを始めたので、今も楽しみながら習っている。先日レッスンがあり、「ダイヤモンドアレンジ」というのをやった。
(グーグル画像抜粋)
上から見ると菱形になるように挿していく。菱形の横のラインの花の長さを28~32㎝,縦のラインの長さを横の長さの半分の長さにしなければならない。
その時に一緒に習っている方が、「30㎝がどのくらいか測らないとわからない」というので、正確に測って始めた。測ったはずだが、出来上がると横の長さに対して縦のラインの長さが短すぎて、極端に横に細長い菱形となった。
私は測ったのにどうしてだろうと思った。お花はとても綺麗で豪華に挿しているのに。
(グーグル画像抜粋)
ある日の新聞に堀内誠一さんというan・anやクロワッサンなど雑誌のデザインをされていた方で、沢山の絵本を作っている方の記事を見た。
(グーグル画像抜粋)
「音楽の肖像」という本で、堀内さんが大好きなクラッシック音楽の作曲家たちの絵とエッセイを、それに谷川俊太郎さんが詩を載せているのを紹介している記事の中で、堀内さんは
大切なのは「理解すること」ことではなく、好き勝手に「感じる」ことなのだ
と谷川さんは堀内さんに教えられたそうです。
この記事を読み、冒頭に書いたお花のレッスンで起こったことは、やることに気を取られ、自分の感覚より、正しく測ったことを信じ、全体のバランスを見ていたはずだが感じようとしていなかったのだろうかと考えてみた。
似たようなことはフェルデンクライスでもあるなと思いました。
フェルデンクライスの動きは、習慣的でない動きが多いので、これで合っているのか、上手くできているか、これは何のためにやっているのかと自分の感覚を信じるより、何か理解しようとするのでは思うことがあります。
FIレッスンでもATMレッスンでも、やっていることに問いかけるのではなく、どのようにやっているかに注意を向けます。
堀内さんの言葉のように好き勝手に自分の感覚を信じ、次にまた何かを感じていけば、終わることのない可能性が自分の中にあると気づくことになる。
堀内さんの絵はなにげなく描いているようにみえるが、繊細なスケッチを膨大に描いているそうです。
自分がやりたいことを、考えすぎずに、自然にできるようになるのにフェルデンクライス メソッドを体験する一歩を踏み出してみて。
サノ ケイコ