頭の中で地図を描く
レッスンを受けて、最後にどのような感じがするかをお聞きするようにしています。
自分に起きた新たな感覚を人に言うことで、気づくことがあったり、
また人の感想を聞いて共感することができます。
時には言葉で表現することができないこともあり、人によって感じ方は様々です。
*比較的よく聞くことに、
「床に寝ている時には、自分の身体の変化を感じたのだが、起きて立ち上がるとその感覚がはっきりしなくなった」
*うつ伏せで膝を曲げて足が天井を向くようにして足の動きを行うと
「自分の足がどうなっているのかわからなくなる」
空間の中で自分全体がどのようになっているかを捉えるのは、難しくなりますね。
頭の中に自己イメージを描けることができる、その能力をより深いものにするレッスン、
そこでフェルデンクライス・メソッドですね。
こんな記事を読んだのでご紹介しようと思います。
東京パラリンピック陸上女子400メートル、視覚障害のクラス日本代表に内定している佐々木真菜選手について
佐々木選手は、生まれた時から常に視界は、白くぼんやりとした状態で「無虹彩症」という障害がある方です。
見える私たちから見ると、見えずにトラックを普通に走っていることにただ驚きます。
トラック競技では、コースの内側のラインを踏んだだけで失格になるそうです。
では、どうやって?と思います。
佐々木選手は
「数年は恐怖心があったんですけど、感覚というものがだんだんつかめてきて、内側のレーンと外側のレーンのだいだいの角度は把握できているので。しっかり走れるところにつながっているかなと。」
レーンの幅や白線の位置などを頭の中に描き、そのイメージに沿って走れるようになったそうです。
この空間のイメージを頭の中で地図を描けるようになり、
仕事場でも机の間をまるで見えているかのように通り抜けている映像を見ました。
私たちは見えると、多くを目の動き、視力に頼っていますが、
空間をイメージする力は、見えている人もその能力は向上することができると思います。
フェルデンクライスのレッスンでは、このような空間をイメージする力を養えるレッスンがあります。
そこで5月は、目と手のつながりのレッスンを行います。
6月は「イメージをふくらます」を共通テーマでレッスンをいたします。
パラリンピックは、来年に延期となりましたが、応援したいですね。
この記事を読んでどんなことを感じるでしょうか?
佐々木選手についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/03/0327.html