佐藤 英行からreport~「AI時代のサバイバル」
4人のプラクティショナーが 、月ごとに自分の感じていることやお知らせしたい情報などフェルデンクライスに関することを皆様にお届けしています。
第34号-2019年4月は、佐藤 英行からお届けいたします。2019年5月はサノ ケイコです。お楽しみに。
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AI時代のサバイバル
最近、70代後半のあるクライアントさんが「スマートウォッチ」を購入された。
腕に装着しているだけで、きまった時間に心拍数と血圧が測定され、
そのデータがタブレット端末に転送されて、
1日の変動がグラフになって表示されるそうだ。
世の中は便利になった。
私が病院勤務を始めた頃は「水銀血圧計」が常識だった。
この水銀血圧計で血圧を測るためには、ある程度の熟練が必要だ。
最初はどうしても上手く出来ない。
だからデジタル血圧計が普及し始めた時は「便利な世の中になった」と思ったものだ。
それが今では「時計」が全部やってくれる。
まさに「テクノロジーの進歩」だ。しかし、そう喜んでばかりもいられないようだ・・・⁇
「AIの普及で仕事が奪われる」という話をよく聞く。
2013年にイギリスのオックスフォード大学が発表した論文で「総雇用者の47%の仕事が自動化される」と発表されてから、様々なところで話題になった。
確かに「スマートウォッチ」を考えると、血圧の測定はすでに「自動化された仕事」なのかも知れない。
そして、他の分野でもいろいろなものが「自動化」されていく事は容易に想像できる。
もはや「ある分野」では「不可能を可能に、可能なものをたやすく、たやすいものを優雅に」などと考えなくとも、AIがすべて肩代わりしてくれる時代が来るのかもしれない。
確かにAIの進歩、普及で、なくなってしまう仕事もあるだろう。
しかし「自動化された仕事に人間が関わる隙間がなくなる」と結論を出すこともないのではないか?
「未来の出来事の結果」には解析すべきデータが存在しない。
つまり推測以外の何物でもない。「変化」は確かに起きる。
しかし「人間にしかできない価値」を仕事の中に組み込んで行くことが出来れば、
まだまだ人間が関わる隙間はたくさんある。
反対に「いずれAIが習得するような技術や知識のみ」を習得していたら、
それこそ「AIに仕事を奪われる」ことになりかねない。
新しいことを学んでも、その知識が時代遅れになる日がすぐにやってくる。そんな急激に変化する
今の時代だからこそ、自分自身を観察し、意思を行動に移すことで、
環境の変化に適応することを学ぶことが求められる。
そのための方法論として、フェルデンクライスのレッスンは、とても有効なのだ。
所詮「AI」は人間が作り出した「ツール」だ。
ならば「使いこなすこと」が「正しい付き合い方」だ。
・・・ちなみに、そのクライアントさんは先週、携帯をガラケーからスマートフォンに変えた。
いま「言語変換機能」の使い方を習得中だ。見事に「適応」にチャレンジされている。
私も見習うことにしよう。。。
フェルデンクライス プラクティショナー 佐藤英行