フェルデンクライスとは、モシェ・フェルデンクライス博士(1904〜1984)の名前です。彼は物理学者、機械電気工学エンジニア、そしてヨーロッパ初の柔道黒帯保持者でしたが、若いころサッカーで膝に怪我を負い、手術をしても歩ける可能性は50%と宣告されました。
そこで、彼は自力で治す道を選び、解剖学、生理学そして神経システムがどのように動きに影響するかを研究し、子供の遊んでいる様子も探索しました。また、あらゆる研究と共に日頃から自分について観察していた彼は、自分の膝がどのような時に痛み、どのように使えばよいかを探索し、ついに手術をせずに歩けるようになりました。
その後モシェは、多くの人にこの方法を広め、フェルデンクライス メソッドとして確立していきました。
フェルデンクライス メソッド
「あなたが自分自身について学ぶ方法」を学ぶ方法

健康を増進するために脳の自然の能力を利用するようなプログラムを提案しています。
筋肉を使わなければ使わないほど、運動感覚的な学習と身体的向上は大きくなります。
「歩くことが楽になり散歩が楽しめる」「頑張って練習してもなかなか上達できなかったが、意識する部分や自己イメージが変わり、体の痛みもなく上達できるのに限界がないと感じる」などレッスンで感じたことは、他の何かに影響されます。
「自分のやっていることが分かれば自分のやりたいことができる」(モシェ・フェルデンクライスの言葉より…へえ〜ほんとに?)
モシェは、よく生徒に「あなたが自分自身について学ぶ方法」を学ぶ方法って、どういうことか?と聞いたそうです。フェルデンクライスでは、正解はありません。レッスンを実際に経験して、自分なりの答えを見つけに来て下さい。
私がメソッドについて、あれこれ書くよりお薦めの本がありますので、ご紹介いたします。
*「初めてのフェルデンクライス」かさみ康子著 地球丸からだブックスより (私がモデルで載っているので是非ご覧ください)
*「脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線 」
ノーマン・ドイジ著 紀伊国屋書店
第5章〜第6章にモシェ・フェルデンクライスについてとフェルデンクライス・メソッドの記載があります。脳との関係をわかりやすく説明しています。
※どちらも画像をクリックいただければ、Amazonからご購入できます
今ここにいる私たちは、組み立てられた機械ではなく、生まれてきた生命です。
どんな方でも体と心、自分全てを健やかでより成熟した大人になるのに、このフェルデンクライスを道具の一つとして活用できるメソッドです。
主宰者プロフィール
サノ ケイコ
フェルデンクライス・プラクティショナーフェルデンクライス東京代表

バレエ、ジャズ、モダンダンスを習い、舞台でモダンダンサーとして活動。
2007年よりFPTP YOKOHAMAプロフェッショナルトレーニングコースで学び始め、2011年8月に卒業。現在、FPTP Tokyo2トレーニングコースの手伝いをしながら、池尻大橋にてプラクティショナーとして活動中。
☆始めたきっかけは、ダンサーの為だったけど…。
私がフェルデンクライスのトレーニングを始めようと思ったのは、ちょうど踊りを辞めて、ダンサーの怪我やテクニックの向上に役立てることができるかもしれないと漠然と思い、始めました。4年目にFIレッスン(個人レッスン)を受けた時、先生から「なぜ始めたのか?」と聞かれ、無意識に口が言った言葉は「自分が好きではなかったから」でした。その時『ア〜、自分のことが好きではなく、自分を変えたかったのだ』と(自分の脳に)気づかされた感じでした。フェルデンクライスを学ぶ過程で、自分を知る瞬間でした。
☆「フェルデンやっているから、変わらなきゃだめだ!」と思っていたけど…。
ある先生がクラスで「変わる」という事についてお話して下さいました。「例えば、好きでない自分は、全体の1/2を占めているとする。でもレッスンを受け新たな経験をするうちに、動きの選択肢が増えて違う自分を見つけられたら、その割合は1/5へ、1/6へと変化する。嫌いな自分は無くならないけど、全体から見れば次第にほんのわずかになっていくこと」というお話がありました。うわっ〜、またしても思い込みの強い私は、嫌いな自分をすべて否定し、全部を変えなくてはと思っていた事に気づきました。
変わる事よりも限界を自分で作らず、いかに可能性を広げられるかに興味を持って学ぶほうがはるかに面白いと思うようになりました。